動機を磨く

近藤展幸

2006年09月12日 00:05

正しい事は正しい事です。

頭ではわかります。

いい話を聞いても感動します。

しかしなかなか出来ません。

えらそうな事や正しい事を言ったところで言っただけです。

企業理念もすばらしい言葉です。

しかし掲げているだけでは大義名分でしかありえない。



実行できるかどうか。

それは「動機」次第ではないでしょうか。


自分は何のために頑張るのか?


自分のため?

そこそこ頑張れますが、そこまでは辛いことに取り組めないと思います。


やっぱり最後は、仲間、家族、守るべきもののために

自分が生きる理由 「使命」のために頑張るのではないでしょうか?



自分の動機を振り返ります。


10代の時はただ自分が上に行きたかった。評価を受けたかっただけ。


事業を失敗してすべてを失った後、最低限の生活を満たすためにアルバイトをがむしゃらに頑張りました。

生きていかなければならない。

絶対に負けたくない。見返してやりたい。その気持ちだけでした。

走り続けて、借金も返済し、店舗も3店舗に増え、生活はある程度満たされました。

それでも頑張りました。

その理由は、将来を約束した親友が頑張っている。だから俺も頑張らなきゃ。ただそれだけでした。

しかしその親友と一緒に仕事が出来なくなりました。

自分の中で何かがはじけてやる気をなくしました。


なんのために自分は頑張るのだろう?


考えるため5000円を持ってインドへ一人旅に出ました。


インド旅行に行ったとき、生きるということを考えさせられました。


生命を維持する事に、生きる事に必死な人々。


道端を歩いていたら家族の生活を守るために年端もいかない子供が声をかけてきます。

「シルクを見ないか?」 「ボートに乗らないか?」


無賃乗車を繰り返し、最後お金もほぼ底をつきかけた時、カルカッタへ行きました。

そこでマザーハウスと出会いました。

「死を待つ人の家」

マザーテレサさんが作られたボランティア施設です。

けがや病気で苦しみ、死を間近に迎えた、貧しい人々。
そんな方々を受け入れて、亡くなるまでの間、愛の手をもって衣食住の世話をする施設です。

そこで世界中のボランティアの人々に出会いました。


何のためにボランティアをしているのか?


亡くなられるまでの患者の1人でも多くの笑顔が見たい。

この方達になにか少しでもしてあげたい。

その想いで海外から、渡航費を支払い、生活費を貯金して来られていました。



信念を持った、強い人々と出会う事ができました。



自分は何もできませんでした。


ただ涙が流れるだけ。


自分が学んだのは、目の前で亡くなって行く人に何もしてあげることの出来ない自分の無力さだけでした。


自分は何のために生きていているのか?何ができるのか?


今まで日本で生きてきた自分の動機


評価されたいとか、友達と仕事がしたいとか、全て、自分のためでしかなかった。


自己中心的な自分に気づいた。


自分は何のために命を使えるのか?


インドから帰国し、それから企業理念を本当に考え出しました。


社長として出来ること。


会社が社会に出来ること。


近藤展幸として出来ること。



自分の生きてきた20数年間を振り返りました。



そしてクレドを作りました。



自分の「使命」に少し気づくことが出来ました。





伏見店 2000年4月OPEN

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